シン・Ryuseiは今日も雨を呼ぶ

札幌銭湯スタンプラリーに再挑戦しているのでその記録だったり他多数

【中央区】円山温泉_200103【26/38】

私はお風呂が好きだ。薬湯が好きだ。光の入る明るい浴室が好きだ。高温のサウナが好きだ。キンキンに冷えた水風呂が好きだ。きれいなお湯が好きだ。広いお風呂が好きだ。よろしい、ならば銭湯だ。

 

いよいよ2020を迎えた今年であります。子供の頃、2020年ってとっても未来だと思っていたんですよ。いや、正しくは2020年なんて予想なんてできなかったし、考えることができなかったんですよ。

 

僕は、どちらかといえば他人と同じことができない子どもだったと思う。他人と同じような人生を送っていれば、今ころは子どももいてマイホームを買って借金を背負いつつも毎日笑いの耐えない家庭を築いていただろう。それがどうだ、僕は毎日のように銭湯に通ってはニヤニヤしている変なおじさんになってしまった。

 

僕には他人と同化する、いわゆる一般化するということが一番苦手なことなんだろう。他人と同じことをするということが正直なところ理解できない。いわゆる普通というのは形而上の存在ではないかと思うわけである。そう、全てを一般化して個性を取り払った丸い存在こそが、「普通」なのかもしれない。多くの人が「普通」の生き方じゃつまらない世の中ではないだろうか。もう少し尖ってもいいと思う。

 

僕は、講演などでもたまに話をするが「グローバル」と「インターナショナル」というのは違うものであると昔から言い続けている。

グローバルとはなにか

 グローバルというのは、globeという「球体」とか「地球」という言葉を語源としており、一言で示すと、「国家間の壁を取り除いた画一した地球社会」とでも呼べばいいだろうか。

インターナショナルとはなにか

 一方、インターナショナルというのは、interという「相互」を表す言葉と、nationalを示す「国、民族、国家」という言葉から成り立っている。つまり、異なった国家間が世界的につながるということを指している。

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なぜ、このようなことを書いたのかというと、グローバルというのは、すべての個性が取り除かれ丸いものとなってしまい、何も特徴がなく、画一化した社会を目指していると考えているのである。私は、このグローバル化には反対である。私が目指すべきは、数多くの地域の数だけ、文化や考え方の違いがあるとともに、それら同士が繋がり合うというインターナショナルを目指すべきだと考えている。つまり、尖っていることが大事であるということだ。

 

このことからも、もっと尖ってもいいのではないか、そのような世の中を目指すほうが楽しいのではないかと考えている。

 

さて、銭湯に話を戻そう。

札幌銭湯スタンプラリーという、ちょっと変わった人間しか取り組まないようなラリーをしています。どうせなら道の駅スタンプラリーでもやればいいのにと思うわけですが、グレタちゃん以上の環境活動家の僕ですので、ガソリン撒き散らして道の駅巡りを目的として走り回るのは好きではないので、公共交通機関や自転車を使って銭湯を回るのが大好きなのです。

 

この先、札幌市内のさつよく加盟の銭湯を一度は回るわけですが、頼りとなる情報誌は、「札幌銭湯まっぷ」という紙のマップだけです。銭湯をひたすら回るのですが、アプリとかIT化されているわけではありません。あくまでも紙のマップです。お年寄りの店員さんに配慮して紙のマップにゴム印のスタンプラリーです。これでいいんです。

 

僕の決めていることとしては、一日にはしごして入浴しないことと、初めて行く銭湯は、事前にネットで情報を限りなく仕入れないということがあります。初めて出会う銭湯に対するドキドキを忘れたくないので、情報を仕入れないようにしております。

 

という長い長い背景をおいておいてですね、この札幌銭湯スタンプラリーの札幌銭湯まっぷを見てみましょう。僕の持つ事前情報は、この札幌銭湯まっぷだけなんです。

 

本日、向かうと決めた「円山温泉」を「札幌銭湯まっぷ」で調べてみましょう。

 

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円山温泉

 

 

「サウナ(乾)」

 

 

いやね、ここって最大のアッピールポイントなんですよ。
閉業しちゃったのでバツが付いてるけど、山鼻温泉との比較ができるように撮影しました。

 

山鼻温泉は閉業してしまいましたが、ものすっごいアッピールしているじゃないですか。ここの小さなPR箇所にテキストを詰め込んでいます。なんならフォントを小さくしてでも詰め込んでやろうという意気込みが伝わってくるじゃないですか。やる気を感じるじゃないですか。

 

話を戻して、ここが「個性」をアッピールする場所なんですよ。自分の銭湯はここまで尖っているんだ、ここが特徴だから来てくれとアッピールする箇所がこの青字の部分なんですよ。ここしか情報がないんです。

 

ほかを見てみましょう。

 

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となりの神宮温泉にいたっては「普通の銭湯です。」しか書いてないんですよ。普通ってなんやねん。銭湯自体がすでに普通じゃない世の中になってて、銭湯に来ているお客様なんて刺青のおじさんとか、僕みたいなお風呂好きという、少し変わった御仁だらけだってば。

 

これがグローバル化の弊害なのではないかと思慮しているところなんです。もっと、個性を出しましょうや。もっとアッピールしようではありませんか。

 

その個性を探しに、自ら円山温泉へ行きましたよ。お正月から突撃しちゃいます。

 

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円山温泉駐車場

 

まずね、駐車場広いーーーーーー。めっちゃ広いーーーー。これだけで個性ですよ。今まで行った銭湯の中では、白石区大豊湯レベルの駐車場の広さです。中央区のこんな場所ですから、コインパーキングにしてしまえば儲かるだろうに、銭湯経営をしているんですよ。かなり、いきでいなせな経営者だと思います。この時点で大好きです。

 

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小さめの看板

ものすごい広い駐車場に控えめなサイズの「ゆ」の看板です。その昔、「ファスト風土」という単語を使って、どこの地方都市も同じような看板で同じような作りでつまらんと本を書いた人がいますが、これこそインターナショナルだと思います。個性です。美しいと感じました。古き良き銭湯の看板とちょっとおしゃれな円山のマンションのコントラストが令和を感じさせます。これが札幌の景観だ。

 

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円山温泉煙突

そして、銭湯といえば煙突ですよね。冬の札幌の空に突き刺さる煙突の美しい風景は、未来へと残したいと思う風景です。そう、これが札幌の景観だ。

 

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円山温泉入り口

そして、この控えめな入り口です。暖簾は風防の奥にしまってあります。

 

ここの円山温泉は、入り口が男女別となっています。一瞬、番台方式かなと思いましたが、ワンフェイク方式の銭湯でした。ワンフェイク方式というのは、番台をカウンターに改装したところのことを指しまして、入り口は男女別なのに入ったらすぐに合流してずっこけるというやつです。

 

いつもの回数券をおばちゃんに渡すと、初めての客の僕に対して「あけましておめでとう」と言ってくれるハートフル銭湯です。こういったコミュニケーション大好きです。コミュ障の僕ですが「おめでとうございます(ニッコリ」です。

 

大事なものはロッカーに入れて、服をかごにしまって浴槽へ入ります。

すると、高い天井に窓ガラスがあり、札幌の西日がとても明るく入ってくる浴室です。明るくて、清掃も行き届いてて、最高のお風呂です。

 

そして、全身を洗って熱めのお湯で一度仕上げてから、サウナに移動開始です。

 

サウナに入ってみたら、衝撃の事実が全身を貫きます。

温度計を見てみると、「120度」を示しています。

 

あの共栄湯ですら、約80度ですよ。温度計壊れているんじゃないかと思いますが、しっかりと「120度」を示していました。

 

このとき全てを理解しました。「サウナ(乾)」という一言のアッピールだったけど、ここにすべての経営資源を投入しているということがわかりました。

 

熱すぎだろ

 

異常に汗が出てきます。擬音を使うとしたらピューピューな感じです。そう、ここの銭湯は、「サウナ(乾)」にすべてが集約されているということが理解できました。そして、サウナに集中できるようにか、音が一切ない空間です。聞こえてくるのは、半世紀前には少女だった人たちの笑い声が高い壁を超えてサウナ室まで聞こえてきます。BBAうるせーよ。

 

僕はサウナはそんなに好きではないんです。どちらかというと、熱いお湯に浸かるのが好きなんです。でも、ここはサウナに連投です。水風呂⇔サウナのピストンです。完全にキメられてしまいました。

 

最高でした。新年早々にいい経験をすることができました。

 

円山温泉は、丸くはなく一点突破の尖った最高の銭湯です。だからといって、サウナ以外がだめなわけではありません。全てにおいて高品質です。本当におすすめです。

 

そう、インターナショナル化を目指すにあたり、たくさんの尖った部分を作る必要がないのです。ひとつ、たったひとつの尖った部分があれば、それは人を幸せにできるのです。

 

さぁ、僕の尖った部分を探す人生はまだ折り返し地点だ。まずはこの銭湯スタンプラリーを完走させそう。

 

店名:円山温泉
住所:札幌市中央区南6条西23丁目5-2
TEL:011-563-9195
営業時間:14:30〜23:00
駐車場:有 →めっちゃ広い!!
定休日:月曜
受付:フロント →ワンフェイク方式